全篇、昼飯の随筆集。
但馬の食卓には、まだ物語になっていない昼飯がある。
ひとりの文士が、南の峠から但馬へ入り、果てへ向かって歩いている。 一軒ずつ暖簾をくぐっては、昼飯の随筆を残していく。 店は実在する。旅は創作である。 ここは、但馬を食べ歩くための小さな文庫だ。
第一冊但馬孤食記朝霧 旅硯
湯気。暖簾。午後の黙り。腹が鳴るほうへ歩く。
朝来市・和田山町竹田 / 旧医院を活かしたうどんと甘味の店六月二十六日二十四番と、見たことのない朝
雨は、峠を越える半ばから本降りになった。
序
紹介文ではなく、食べる時間を書く。
店の評価を並べるだけなら、地図を見ればいい。 だが、旅先で迷い、暖簾をくぐり、湯気の立つ丼に箸を入れる時間は、地図には残らない。 但馬孤食記は、その時間を短い随筆として編む。
目次
食卓の短編集
土地


